第31話【糖醋肉塊】(tángcùròukuài)
黒酢の酢豚

私が中華料理を大好きになったきっかけは、間違いなく酢豚だ。
子供の頃の足繁く通った中華屋でこの料理に出会った。
その店の酢豚は揚げた豚肉に野菜やパイナップルをケチャップと酢で綴じた所謂広東風の「古老肉」だったが、これが大好きだった。
中華料理はめちゃくちゃ旨い、と自分の脳に刷り込んでくれた大切な存在だ。

今回作ったのは北京風の黒酢の酢豚。ここ10年で随分日本にも普及した。甘酢ダレに赤ワインを加えると味に奥行きが出てとても好きだ。

これら2種の酢豚に加えて、私が「第3の酢豚」と呼ぶものがある。ご存知の方も多いかもしれないが、上海で広く食されている「糖醋排骨」というものだ。文字通りスペアリブを使った黒酢の酢豚なのだが、最初の2つとは決定的に違うファクターがある。

それは何か?
なんと冷菜なのだ。冷蔵庫で冷やされた黒酢の酢豚なのだ。最初にビールと一緒に注文する前菜なのである。初めて食べた時は驚いたが、これはこれで旨いと感心した。

北から南まで、様々な酢豚がある。
やはり中華料理は面白い。

写真2枚目は上海、南翔饅頭店の糖醋排骨。3枚目も上海、浦東の夜景。



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